赤野川河川環境保全活動組織(高知県安芸市)

● 活動項目

ヨシ帯の保全

● 組織の構成

漁業者、赤野川漁協、栗山建設、戸梶組、野町組、仙頭建設、小松基礎、地域住民(74名)(サポーター:高知県(内水面漁業センター))

● 地域の現状・課題

  • 赤野川は高知県の東側に位置し、安芸市赤野から土佐湾へと注ぐ二級河川である。
  • 赤野川の上中流域は山地で勾配があるものの、下流域は平地で勾配が緩やかになっている。さらに、下流域では農業が盛んなために取水が多く、河口付近では大きく蛇行している。
  • そのため、近年は河口域に多くの土砂が堆積し、河床が上がった場所に多量のヨシが繁茂している。
  • このまま放置するとヨシ帯の陸化や樹林化が進行し、河川環境が悪化することが懸念されている。

ヨシが繁茂する赤野川

● 活動の内容

  • 河川環境を保全することを目的として以下の活動を実施している。
  • ヨシの刈り取りと火入れ
    毎年秋にヨシの刈り取りと火入れを行っている。地域の建設会社が参加しているためにトラクタや重機も活用し、火入れを行うために消防団の参加も得ている。
  • 石倉の設置
    環境が保全されていることを確認するため、石倉を設置し、ウナギをはじめとする水生生物の生息状況をモニタリングしている。なお、活動を実施するにあたり、活動区域は禁漁にしている。
  • モニタリング観察会
    モニタリングの際には近隣の小学校や保育園に参加を呼びかけ、地域の伝統漁法や環境についての理解増進を図っている。

ヨシの刈り取りと火入れ

石倉の設置とモニタリング

● 活動の効果

  • ヨシの刈り取りと火入れは、秋に枯れるヨシの地上部を除去することによりヨシ帯の陸化や樹林化を抑制し、健全なヨシ帯を維持することに効果を発揮している。
  • モニタリング時には内水面漁業センターの協力の下に、ウナギは標識放流し、他の生物についても記録をとって放流しており、赤野川の資源量と環境を知る良い指標が得られている。
  • これからも積極的に活動を行うことで、河川環境の保全を図るとともに、地域住民や児童との連携により自然環境や生き物の大切さを伝えていきたい。

モニタリング観察会の様子

石倉で捕獲した生物(左:ニホンウナギ、右:カニ類)