鏡川環境保全の会(高知県高知市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、鏡川漁協、高知大学、友釣り連盟、高知県釣具商、横内小・旭小・旭東小PTA、青少年育成協議会、地域住民(79名)(サポーター:西日本科学技術研究所)

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● 地域の現状・課題

・当組織の活動が行われている鏡川は、高知市を流れる二級河川である。上流から中流は清流として知られ、環境省から「平成の名水百選」に選定されている。

・鏡川のほぼ全域に漁業権が設定され、鏡川漁業協同組合が流域に生息するアユ、アマゴ、コイ、ウナギ、モクズガ二などの遊漁の管理を行っている。

・近年、台風や集中豪雨に伴う増水による河床への土砂の堆積や河川改修による瀬淵構造の消失などによって河川環境が劣化している。

・河川環境の修復を目指し、鏡川漁協が中心となって高知市、遊漁関係団体、地域の小学校PTA等と共に「鏡川環境保全の会」をつくり、西日本科学技術研究所の協力・指導の下、平成25年度から保全活動を開始した。

保全活動が行われている区域(①から②の間)

土砂がたまった河床

● 活動の内容

①河床の整備

重機や人力によって河床を撹拌した後に平坦にならし、アユの産卵に適した河床材料(粒径)の浮石が多い「瀬」を整備する。

②モニタリング

河床整備後に整備地点を含む10地点で魚類の生息量調査を行い、整備の効果を検証する。

③川の学習会の開催

市民の河川環境への関心を高めることを目的に、活動区域において親子を対象にした学習会を開催する。

重機による河床整備

人力による河床整備

潜水による生物調査

親子を対象とした体験学習会

● 活動の効果

・モニタリング調査の結果から、河床整備の活動を行った場所では産卵期のアユの生息密度が高くなっていることが明らかになった。

・活動範囲で行っているモニタリング調査では、10地点からギンブナやユゴイなど17種の魚類のほか、イシマキガイやテナガエビ類なども確認されている。これらの資料は、鏡川の環境を知る上で貴重な資料となっている。

 

産卵期におけるアユ生息密度の違い