● 地域の現状・課題
・室戸地区は室戸岬のある高知県南東部に位置しており、太平洋に面している。
・地区の沖合には黒潮が流れており、漂流すると短時間で長距離を流されてしまう海域である。
・また、発生が予想されている南海トラフ地震による津波で、甚大な被害が出ることが懸念されており、海上での安全対策が求められる。
・こうした背景から、海上での情報を迅速に伝えられるデジタル式漁業無線を管内の漁船に設置した。しかし、その操作技術や連絡手順、救助・避難時の対応など、海難救助等で活躍できる人材育成が課題となった。

海域の状況
● 活動の内容
- 平成25年度に組織を設立し、年に1~2回の海難救助訓練を行っている。
- 訓練は消防署、海上保安部、無線機メーカーなどの協力を得て行っており、令和5年度は延べ72名が参加した。
令和5年度の訓練内容:
デジタル無線機の操作をより習熟するために、高知県無線漁業協同組合、高知県水産振興部漁業管理課、高知県沿岸漁漁業無線ネットワークの連携のもと、デジタル文字情報の送受信訓練を行った。

無線の操作習熟訓練

無線の通信状況確認

救急救命講習

落水者捜索訓練
● 活動の効果
- 直近2年で実際に救助活動を行った件数は令和4年度10件、令和5年度3件であり、海難救助を要する事故等が少なかったため、平成28年度15件、平成29年度26件とくらべて減少した。
- 一方で、訓練により構成員の無線機の使用能力向上と、有事の際の他機関との連携能力を高めることができている。

海難救助を要する事故等の減少