● 地域の現状・課題
- 宿毛湾は四国南西部に位置し、豊後水道と太平洋に面している。
- 当海域では多様な漁業が行われており、様々な時刻や海域で操業しているが、漁業種が異なる漁業者同士の交流は少なく、情報の共有はあまり行われてこなかった。
- 近年は気候変動による豪雨災害や水温異常、急潮、それに伴う漂流物や赤潮の増加などが取りざたされ、近隣海域では不審船や漂流船の情報も後を絶たない。
- そこで、日ごろから海の異常を監視し、漁業者全体で情報を共有することによって速やかな異常への対応ができる体制づくりを行うことが求められた。
● 活動の内容
- 当該組織は平成30年12月より活動を開始した。
- 海の監視活動は操業中に行い、監視のための出港はしないことにしている。
- 重大な異常があった時には直ちに漁協に通報するとともに、監視結果は日々日報により漁協に報告している。
- 漁協は異常があれば速やかに関係機関に通報するとともに、ネットワークの各部会にも通報され、情報が共有される体制をとっている。
提出された監視日報
● 活動の効果
- 平成30年度には約300回、令和1年度には約3,000回の監視活動が実施され、それぞれ3件の異常(漂流船や漂流物)が報告された。
- 漁業者が自ら監視を行うことで海の異変に気付きやすく、監視活動を漁協内部の多様な漁業種部会が実施することにより、沿岸から沖合まで昼夜を問わない広範囲の監視が可能となった。
- 組織活動を行うことで各部会の共同意識が育成されるとともに、監視日報を提出することで漁業者と漁協の連携体制づくりにも効果を発揮している。