相島地区藻場保全活動協議会(福岡県新宮町)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、新宮相島漁業協同組合、若潮の会(島内在住の青年部)、ダイビングショップ(36名)

● 地域の現状・課題

  • 相島地区は、福岡市東側に隣接する新宮町の沖合約7.5km、本土からフェリーで17分の場所に位置する。
  • 島の北側には藻場が存在するが、南側は消失した状態が続いているため、藻場再生を目的として活動している。
  • 海藻が無い状態が続く原因は、ガンガゼ類を主体とするウニ密度が高いため食圧が高い。また、海藻が少ないことによるタネ不足の状態である。

平成28年6月 海底の状況

ガンガゼ類の蝟集状況

● 活動の内容

  • 活動内容は主にウニ除去が行われている。ウニ除去は海中で潰す方法がとられている。
  • 相島の南側は西から東側に流れる潮流があるため、潮流を利用して効率よく藻場を回復させるため、西側で重点的にウニ除去を行い、さらにオープンスポアバッグ方式で海藻のタネ播きを行っている。
  • ウニ除去が効率的に行われるよう、潜水講習も行われた。

潜水器材を用いてウニ除去の状況

オープンスポアバッグ方式でホンダワラ類の母藻設置

● 活動の効果

  • 西側ではウニ密度が下がったことでウニの食圧は低くなっている。また、母藻設置をしたことで播種され、ホンダワラ類主体の藻場ができた。
  • 造成された藻場にはアオリイカが産着した卵嚢塊も確認された。
  • これからの対策としては、藻場はまだ西側周辺に限定されるため、これらが東側に拡がるように、ウニ密度が低い状態を東側に拡げる必要がある。
  • 最近では植食性魚類の食圧も高くなってきているので、これらの食害が目立つようであれば、植食性魚類の対策も検討する。

令和4年6月 海底の状況 (左の平成28年6月の写真と同じ場所)

育った海藻に集まる魚類

マメタワラに産着されたアオリイカの卵嚢塊