博多湾環境保全伊崎作業部会(福岡県福岡市)

● 活動項目

藻場の保全 干潟等の保全 漂流、漂着、堆積物の処理

● 組織の構成

漁業者、福岡市漁協伊崎支所(32名)

● 地域の現状・課題

  • 伊崎地区は、福岡市中央区で博多湾の中央部に位置し、近くにはペイペイドームや福岡タワーを望むロケーションの中、アクセスの良さから毎週土曜日に開催される「伊崎おさかな夕市」は大変好評。
  • 伊崎のアサリは味が良いことで有名であったが、近年は不漁が続いている。
  • 減少したアサリを復活させるために、現在干潟の保全をすることで、アサリを増やすことを目的に活動を行っている。

活動場所、左側はペイペイドーム

死殻の堆積状況

● 活動の内容

  • 干潟の保全での活動は、活動場所が干上がらない場所であるため、特例として福岡市では浅場の保全という形で活動を行っている。
  • 活動内容は、アサリ死殻の除去、アオサ等の浮遊堆積物の除去、耕耘、アサリ稚貝の移植、漂流、漂着物、堆積物の回収を行っている。また、令和2年度から藻場の保全活動も開始した。
  • 海底耕耘は、底質を改善しアサリの着底を促すことが目的で、5月~1月の期間に6日間実施されており、年間平均延べ56隻が操業を行っている。
  • 地元の福浜小学校の生徒とともに海岸清掃を行い、乗船して海底清掃の見学を行っている。

海底耕耘の作業状況

アサリ移植の作業状況(稚貝の採取)

アサリ移植の作業状況

小学生との環境学習の状況

● 活動の効果

  • モニタリング結果によると、アサリは平成30年度の316.4個体/㎡をピークに減少を続け、令和3年度は116.4個体/㎡とやや低い状態となっている。食害生物のツメタガイとヒトデ類の出現は低いため、アサリの生息密度の低下は、食害生物の増加との関係が低いものと考えられる。
  • 高水温、大雨による土砂、時化の増加なども考えられるが、成貝の出現割合が低いので、着底稚貝の育成に効果が出るよう海底を改善する事など優先して活動を行い、特に死殻除去などを行う事に力を入れていく。
  • 地元の小学生とともに活動することで構成員の意欲が大変高まった。また、小学生の博多湾に対する関心、海のゴミに対する意識も高まってきている。

平均値にみるアサリと食害動物の生息密度(個体/㎡)の推移

潜水によるモニタリングの状況

小学生との海底清掃の状況