外津地区海環境を守る会(佐賀県玄海町)

● 活動項目

藻場の保全、種苗放流、漂流・漂着物、堆積物処理、国境・水域の監視

● 組織の構成

漁業者、外津漁協、地域住民(71名)

● 地域の現状・課題

・外津地区は佐賀県の北西部に位置し、外津浦及び玄界灘に面している。

・近年同地区の沿岸では、ガンガゼの増加により藻場が減少し、磯根資源等の生育に支障を与えており藻場の回復が求められている。

・外津浦では、以前から魚類養殖が行われてきたため、海底の底質環境の悪化が懸念され、底質改善が求められている。

・外津浦は、漂流・漂着物が滞留しやすく、水産生物の生育に支障をあえており、その除去・処理が求められている。また、密漁や赤潮発生等を早急に情報伝達できる体制が求められている。

藻場の状況(活動開始前)

● 活動の内容

外津地区の課題を解消するため平成25年度に組織を設立し、以下の取組を行っている。

・藻場の保全では、1年間に24回程度と素潜りにより、海中でガンガゼやムラサキウニを潰し、駆除をしている。

・種苗放流では、放流場所を選定しアオナマコの種苗を放流している。

・漂流・漂着物、堆積物処理では、外津浦の漂流・漂着物を1年間に1回漁船で回収し処理している。

・海域や沿岸の異常を早急に発見、対処するために、1年間に26回程度水域を巡回し監視している。

国境・水域の監視(赤潮)

漂流、漂着物の除去

ガンガゼの駆除

● 活動の効果

・ガンガゼの駆除により、ホンダワラ類等小型海藻類の藻場の被度は21%程度であるが、一定の効果が認められている。

・放流したアオナマコが調査地点で7個体程度確認され、またアオナマコの糞も以前と比べると多くみられており、徐々に放流による効果が認められている。

・漂流・漂着、堆積物の処理については、モニタリング調査による底質ベントスの個体数は増加の兆しがみられている。

・監視活動については、監視区域に浮遊している流木・死魚及び赤潮の早期発見など異常をいち早く情報伝達でき、適切な海域環境の把握ができている。

 実施している活動については、一定の効果は確認できるものの、根気強く活動を継続させることで、外津の海域環境を保全する必要があると考えている。

活動後の藻場の状況