三重地区活動組織(長崎県長崎市)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、新三重漁協、(株)ベントス、海洋建設(株)(65名)

● 地域の現状・課題

・三重地区は長崎市の北西に位置し、五島灘に面している。

・磯根資源に恵まれ、アワビ・サザエ・ウニ類の潜水漁業が盛んに営まれていた。

・しかし、近年海藻類が減少し、平成10年ごろには磯焼けの状態となり、アワビやサザエがほとんどいなくなった。

・藻場の減少は、近年の気候変動など様々な要因によるものであるが、特に大きな要因は増加したウニ類の食害であり、食害生物の除去が大きな課題となっている。

ガンガゼが優占した磯焼け状態の海底

● 活動の内容

・減少した藻場の回復を目的として、平成25年度に組織を設立し、ウニ類の除去と密度管理を中心に活動を展開している。

・ウニ類の除去はガンガゼとムラサキウニを対象として、平成29年度には約7万個体を除去した。

・ウニの密度管理では、ムラサキウニを藻場の残る岩場に移植しており、平成28・29年度には合計約47万個体を移植した。

・その他、ホンダワラ類の母藻設置や、廃棄物の利活用としてウニ類の蓄養試験や加工・商品化などの活動も行っている。

ウニ類の駆除

ムラサキウニの回収

● 活動の効果

・春藻場の形成など、海藻の増加傾向が見られるなど、活動の効果が現れてきた。

・保全活動とウニ漁のバランスにより、ウニの実入り、身質が向上し、単価が上がるなどの効果が現れてきた。

・今後も磯根資源の回復に繋がる藻場の造成・保全を目標に活動を継続する。

形成された春藻場