橘湾地区活動組織(長崎県長崎市)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、長崎市たちばな漁協、牧島自治会(144名)(サポーター:サポート専門家)

● 地域の現状・課題

  • 橘湾地区は長崎県南部に位置し、橘湾に面している。
  • 県内では比較的藻場が多い地区ではあるが、平成20年頃からガンガゼが急増し、藻場の衰退が懸念されている。
  • そこで、藻場の衰退を防止して藻場を維持することを目的に、藻場の保全活動を実施することにした。
  • また、海底ゴミや漂着ゴミを処理することにより、海域環境の保全もあわせて行う。

藻場のモニタリングの様子

● 活動の内容

  • 藻場の保全活動として、ガンガゼの除去や、ウニハードルによる保護区域の設定、ウニ類の密度管理を実施している。
  • ガンガゼの除去は、素潜りや潜水により海中で粉砕していたが、稚ウニが増加したことから粉砕による産卵の誘発を懸念し、平成30年度からは回収して産廃処理を行うことにした。
  • 保護区域の設定とウニ類の密度管理は、長さ100m、高さ0.7mのウニハードル設置により保護区域を設定し、保護区域よりムラサキウニを回収して、海藻繁茂区域に放流している。
  • その他の活動として、底曳き網による海底清掃や地域自治体との協働の海岸清掃、小学校や学童を訪問しての環境学習(活動紹介)なども実施している。

ガンガゼの除去作業

海藻繁茂区域へのムラサキウニの放流

底曳き網による海底清掃

小学校での環境学習

● 活動の効果

  • 保護区域の藻場が周囲より繁茂する様子も見られ、藻場の保全が順調に行われている。
  • 海底清掃においても、活動時に底曳き網に混入するクマエビやガザミといったエビ・カニ類が増加しており、海底環境が改善している様子が窺えている。
  • 小学校の環境学習については、学校で予習も行われており、子供が地域の水産業や藻場の現状・課題を理解し、環境や漁場の保全意識の向上につながっている。

ムラサキウニを放流する海藻繁茂区域の様子

底曳き網に入るエビ・カニ類の生物量の推移