佐世保市浅子地区活動組織(長崎県佐世保市)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、佐世保市相浦漁協(55名)

● 地域の現状・課題

・浅子地区は、佐世保市西部に位置する。

・地区の沿岸にはクロメやホンダワラ類が繁茂する四季藻場が形成されていたが、平成10年頃より磯焼けが発生し、資源が減少してきた。

・これまで、保護区域の設定や食害生物の除去、母藻設置など様々な藻場保全の取り組みを行ってきたことが成功し、ワカメやアカモクによる春藻場が形成された。

・しかし、四季藻場の回復には至っておらず、多年生のホンダワラ類やアラメ・カジメ類などの回復が課題となっている。

平成10年頃より発生した磯焼け

● 活動の内容

・磯焼けした藻場の回復を目的として、平成25年度に組織を設立し、現在は四季藻場の回復を目指し、様々な活動を行っている。

・海藻の種苗投入はクロメを用いることが多かったが、平成29年度にはブロックに付着させたホンダワラ類(多年生含む)の種苗を保護区域に投入した。

・ウニ類の除去は構成員の作業能力に応じて、徒歩、船、潜水に分担し、水中で潰している。

・その他にも保護区域に設置しているウニフェンスの交換・清掃や、刺網によるアイゴの除去、ヒジキやアカモクの母藻設置などの取り組みを実施している。

ウニ類の除去

ウニフェンスの交換

● 活動の効果

・これまでの活動の成果として、春藻場が形成されるようになり、秋(平成28年11月)にも被度55%でホンダワラ類が、夏(平成29年7月)にも被度60%で小型海藻類が確認されるようになった。

・当地区では地元研究機関や専門家等のアドバイス、講習会・報告会等により情報収集した内容を取り入れ、活動内容の改善を図り、成果につなげてきた。

・今後、四季藻場を回復させて構成員の活動意欲を維持するとともに、増加が期待される磯根資源を活用することにより、高齢化対策や後継者確保に役立てていく。

水産多面的機能発揮対策講習会での発表