島原地区環境・生態系保全活動組織(長崎県島原市)

● 活動項目

干潟等の保全 他

● 組織の構成

漁業者、島原漁協、地域住民(265名)

● 地域の現状・課題

・島原地区は島原半島の東部に位置し、有明海に面している。

・有明海では富栄養化などの理由から赤潮や貧酸素水海などの問題が生じており、沿岸の漁業に影響を及ぼしている。

・島原地区においても小型底曳網や刺網、一本釣り、ワカメ・コンブ養殖などの漁業が営まれているが水揚げは減少傾向にあり、沿岸ではアナアオサの発生なども確認され、課題となっている。

・これら課題から、アマモ場やヒジキ、アサリなどを増やすことにより、水質浄化を促進し、海の環境改善を図ることにした。

アマモのモニタリング

● 活動の内容

・豊かできれいな海を復活させることを目的に、平成21年度に組織を設立し、ヒジキ種苗の投入やアマモの移植、干潟保全活動などを実施している。

・ヒジキ生育帯で天然採苗した着生基質(多孔質ブロック)を造成区域に年間100ブロック(平成28・29年度)を設置している。

・土のうの設置によりアマモ生育場を造成し、粘土結着法によりアマモの移植を行っている。

・干潟保全の活動として、アサリ母貝の放流や砂利袋設置(稚貝の沈着促進)、耕うん、アナアオサやツメタガイ卵塊の除去を実施している。

・その他にも、アマモの移植に合わせて学習会などを行っており活動は多岐に亘っている。

アマモの移植(学習会)

ヒジキ種苗の採取

● 活動の効果

・ヒジキの量が増加傾向にあり、平成28・29年度の被度は43~46%であった。

・以前は移植するアマモを近隣地区から入手していたが、アマモ場が拡大し、活動地区内で調達が可能になるまで回復した。

・今後も藻場・干潟の保全活動を継続するとともに、専門家の意見や先進事例を取り込みながら活動の改善・効率化を図っていくことにしている。

回復したアマモ場