● 地域の現状・課題
・有明地区は島原半島の北東部に位置し、有明海に面している。
・有明地区では刺網やノリ養殖が営まれているが、近年水揚げは減少傾向にあり、その原因として富栄養化による赤潮や貧酸素水塊の発生があり、課題となっている。
・これらの課題からアマモ場やアサリを増やすことにより水質浄化を促進し、水域の環境改善を図ることを目的として、平成21年度に有明地区環境・生態系保全活動組織を設立した。
![](https://hitoumi.jp/torikumi/wp/wp-content/uploads/2019/07/0392939adc86f64890d98805ef938710.jpg)
アマモのモニタリング
● 活動の内容
・干潟の保全:人力による干潟耕耘を行い、貧酸素状態の改善及び底質の硬化を防止する。また、アサリ稚貝の放流や砂利袋の設置、干潟に生息する貝類を捕食するツメタガイの卵塊の除去を実施している。
・藻場の保全:粘土接着法によるアマモの移植を行っている。
・環境保全活動に加えて、漁業者を主体とした海難救助訓練を行うなど、活動は多岐に亘っている。
![](https://hitoumi.jp/torikumi/wp/wp-content/uploads/2019/07/9068e65baf28eab14cd03e8ac9a5f960.jpg)
干潟の耕耘
![](https://hitoumi.jp/torikumi/wp/wp-content/uploads/2019/07/547a567b6d19aac0760d0b72b46d84ba.jpg)
アサリ稚貝放流
● 活動の効果
・令和元年度のモニタリングの結果、アマモは調査定点以外にも平均60cmの長さで群生が確認され、藻場の再生が進んでいる。
・保全活動によるツメタガイ卵塊は1回あたり300個程度が除去され、アサリ資源の保護に貢献した。また、干潟耕耘によって底質の硬化が抑制され、アサリ生育環境の改善が見られた。
・今後も藻場・干潟の保全活動を継続するとともに、専門家の意見や先進事例を活かして活動の改善・向上を図っていく。
![](https://hitoumi.jp/torikumi/wp/wp-content/uploads/2019/07/88348d8ff6121d9ca627bc0c8db5bdcb.jpg)
アマモ場の回復によりアオリイカの産卵を確認
![](https://hitoumi.jp/torikumi/wp/wp-content/uploads/2019/07/2ab5b5962a2cf74254a1b0c2f4f630c3.jpg)
除去されたツメタガイの卵塊