● 地域の現状・課題
- 有喜地区は長崎県南部に位置し、橘湾に面している。
- 沿岸には藻場が広がっていたが、ウニ類の食害により磯焼けが発生し、藻場は衰退してしまった。
- そこで、磯焼けにより衰退した藻場を再生するため、藻場の保全活動を実施している。
磯焼け状態の海底とムラサキウニ
● 活動の内容
- 周年藻場を再生することを目標に、母藻の設置や食害生物の除去、ウニ類の密度管理などを行っている。
- 母藻の設置は、網袋に採取したホンダワラ類母藻とおもり用の石を詰めて投入しており、毎年300~400袋ほど設置している。
- 食害生物の除去は、潜水によりウニ類を海中で粉砕処理しているほか、小型巻貝(ニシキウズ類)の除去も行っている。
- ウニ類の密度管理はムラサキウニを対象として、高密度な分布域から、海藻類が豊富で低密度な分布域へ移植している。
- その他にも、藻場の保全などに関する学習会や、海難救助訓練として救命救急訓練や救命胴衣の点検などを行っている。
ホンダワラ類の母藻設置
ムラサキウニの移植
学習会の様子
海難救助訓練(曳航訓練)
● 活動の効果
- 平成28~30年度において海藻類の被度は最大でも20%ほどであった。
- 工事(農村集落整備事業)の濁りも影響していたことが考えられ、濁りのおさまった近年は部分的に藻場が回復傾向にある。
- 今後も活動を継続し、藻場の回復を図っていきたい。
海藻類の繁茂状況