南部地区豊かな海づくり会(秋田県にかほ市)

● 活動項目

魚介類の放流(ヒラメの放流、モニタリング)、漂流、漂着物、堆積物除去(海浜清掃)

● 組織の構成

漁業者、秋田県漁業協同組合、(公財)秋田県栽培漁業協会(45名)(サポーター:秋田県、にかほ市農林水産課)

● 地域の現状・課題

・にかほ市は、山形県に接する秋田県南部の市で、県の最高峰である鳥海山を源とする豊富な伏流水がイワガキを始めとした様々な魚介類を育む周辺海域は、古くから良好な漁場となっている。
・活動を行っているのは市内でも漁業者の多い金浦地区と、その南北に位置する平沢・象潟地区であるが、近年、両地区とも漁業従事者の減少と漁獲量の減少が問題となっている。
・また、漁業従事者の減少等に伴い、漂着物処理など地域内の海岸を保全する機会が不十分な状況にある。

● 活動の内容

・金浦地区に5,000尾、平沢、象潟両地区にそれぞれ2,500尾のヒラメ稚魚を放流し、水産資源の増殖を図る。また、水揚市場において、漁獲されたヒラメのうち放流魚由来の個体の混入状況をモニタリングし、放流の効果を把握する。
・にかほ市における漁業の中心地区である金浦地区において、年に1回程度、漁業者及び関係者等による海岸の漂着物や堆積物の回収、処分を実施する。

ヒラメ稚魚の放流

● 活動の効果

・ヒラメの漁獲量自体は、天候に左右される出漁日数、漁業者数、資源動向などの影響で年によって増減するが、漁獲物全体に占める放流ヒラメの混入率は約10%あり、稚魚放流が漁獲量の維持に一定の効果があることが確認できている。
・海浜清掃における漂着物等の回収量は100~300kgほどで年により増減するが、減少傾向にはなく、活動の重要性に変化はない。

海浜清掃の回収物