● 地域の現状・課題
- 小長井東部地区は有明海の西部に面しており、諫早湾の潮受け堤防が比較的近い場所にある。
- 有明海では富栄養化などの理由から赤潮や貧酸素水塊などの問題が生じており、沿岸の漁業に影響を及ぼしている。
- 当該地区においても、地まき式のアサリ養殖が低迷しており、平成19年には夏の高水温などの影響で養殖カキが大量斃死した。
- そこで、環境を改善するために干潟の保全活動を行っており、アサリなど二枚貝の資源量回復を目標としている。
活動を行っている干潟(土嚢の設置状況)
● 活動の内容
- 干潟の保全活動として、砂泥の移動防止や死殻の除去、有害生物の除去、浮遊・堆積物の除去などを実施している。
- 砂泥の移動防止として、土嚢を作成して干潟に設置している。
- 死殻の除去として、アサリやカキ・シオフキの貝殻も土嚢に詰めて処理しており、貝殻を詰めた土嚢も砂泥の移動防止として干潟に設置している。
- 有害生物の除去として、海底を覆ってしまうホトトギスガイや、二枚貝を食害するツメタガイ(卵塊含む)、アカニシ、ヒトデを土嚢に詰めて、埋没処理している。
- 浮遊・堆積物の除去として、漂着したゴミ類や流木などを回収・処理している。
- その他にも、地域住民を対象に干潟保全活動などについての学習会や、海難救助訓練として救命器具の点検や連絡体制の確認などを実施している。
土嚢づくりの様子
土嚢の投入・設置
流木などの除去
学習会の様子
● 活動の効果
- アサリの生物量は、平成28・29年度には236~218個体/㎡あったが、平成30年度には大きく減少してしまった。
- これは、夏場に貧酸素状態が続いたことや、台風によって砂が移動したことが影響した可能性が考えられる。
- 減少したアサリ資源を回復するためにも、今後も活動を継続し、干潟環境の保全を図る必要がある。
アサリ生物量の推移
モニタリング(コドラート採取)の様子