● 地域の現状・課題
・松原地区は大村湾の東部に位置している。
・大村湾は閉鎖的な海域のため、底質の悪化や貧酸素水塊の発生、青潮、アオサの大量発生などの問題が生じている。
・地区ではアオサや青潮の影響は少ないものの、イワヅタ類の堆積や漂着が増加しており、悪化した底質の改善が求められたため、平成21年度に組織を設立し、底質の改善等に係る取り組みを開始することにした。
干潟機能の低下を招くヒトデ類(底曳網による除去の様子)
● 活動の内容
・底質改善を目的に、底曳網を活用した海底耕うんを行っている。
・二枚貝類の食害や堆積により干潟・浅場機能の低下を招いているヒトデ類、流れ藻(アオサ・イワヅタ類)、ゴミ等の除去を行っている。海中は底曳網により、海岸は人力によって行っている。
・生物生産力を高め、水・底質の浄化機能を向上させる目的で、稚ナマコの天然採苗及び放流を行っている。また、平成28年度は栽培漁業センター産の稚ナマコ35,000個体の放流をした。
天然採苗したナマコの確認
漂着ゴミの除去
● 活動の効果
・耕うんを実施したことにより底質の硫化物量、強熱減量、泥分率(シルト・粘土)がともに減少し、底質の改善が図れた。
・また、底曳網による生物除去を行ったことにより、ヒトデ類の数が明らかに減少した。
・今後も、底曳網を活用した取り組みを継続するとともに、専門家等の意見を取り入れながら活動に取り組む。
底質の変化