大村湾東部東浦活動組織(長崎県大村市)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、大村市東部漁協、地域住民(35名)

● 地域の現状・課題

  • 大村湾東部東浦地区は、大村湾の東部に位置している。
  • 主な漁業として、ナマコ桁網や小型底曳網(エビ類)、タコ籠、延縄、刺網などが行われており、以前は小型底曳網漁が好調であった。
  • しかし、近年の水揚げ量は全体的に低迷しており、大村湾の環境悪化による青潮、貧酸素水塊などの発生で、エビ類がほとんど獲れなくなってしまった。
  • 地区では漁場環境の改善が求められており、平成25年度より干潟の保全活動を、平成28年度より藻場の保全活動を実施している。

● 活動の内容

  • 干潟の保全活動はマナマコの資源回復を目標として、海底耕うん、ヒトデ類の除去、アサリ稚貝の放流、流れ藻・流木の除去を行っている。
  • 海底耕うんは船舶により桁を曳く方法で行っており、1隻あたり5時間/日、年間に延べ200~300隻ほどが実施している。
  • ヒトデ類除去は船上から貝ばさみにより採取、陸上で風乾処理している。
  • アサリ稚貝はカキ殻入りのカゴを海中に垂下しておき、内部に沈着した稚貝を放流している。
  • 流れ藻・流木は船により回収し、流れ藻は風乾、流木は焼却処理している。
  • 藻場の保全活動としてウニ類の除去を行っており、ウニ類を船上から貝ばさみで採取し、陸上で粉砕などの処理をしている。
  • その他にも、海難救助訓練として、地域住民も参加した救命講習などを実施している。

桁曳きによる耕うん作業

流れ藻の除去

除去したウニ類

救命講習

● 活動の効果

  • ウニ類除去の成果が表れており、海藻類の被度は増加傾向であった。
  • ウニ類の除去量も減少していることから、活動場所のウニ類が減少しているものと考えられる。
  • ナマコ桁網によりマナマコ生息数をモニタリングしているが、減少傾向にあり思うように増加していなかった。
  • マナマコについては高水温による影響も懸念されており、引き続き保全活動を継続するとともに、今後の様子に着目したい。

海藻類被度の推移

ムラサキウニ除去量の推移

モニタリングで採取したマナマコ