● 地域の現状・課題
・舘浦地区は平戸市の北西部に位置している。
・20数年ほど前から礒焼けが進行し、藻場が消失してきたことで回遊魚の減少や根付漁業(アワビ・サザエ)の資源の枯渇化が加速している。
・磯焼けを食い止め海藻資源の回復を図ることを目的に、平成22年に地区内有志による活動が始まり、平成25年から水産多面的事業を活用した計画的な活動を行っている。
磯焼け状態の海底
● 活動の内容
・藻場消失の要因を排除するために、①岩盤清掃、②ガンガゼの除去、③ソフトコーラルの除去、④食害魚の除去を行っている。また、海藻を増やすために⑤ホンダワラ類の移設、⑥ワカメ・クロメの種苗投入、⑦マフノリの母藻設置を行っている。
岩盤清掃
除去されたガンガゼ
除去されたソフトコーラル
除去された食植性魚類
● 活動の効果
・活動域を大きくA地区とB地区に大別すると、A地区の南側海域はホンダワラ類やフノリなどが回復し混成藻場が形成され、モニタリング地点の被度は90~50%となっている。一方、B地区の北側海域では藻場礁内はクロメ類の繁茂が見られるものの、その外側は殆ど海藻が生えない状況で、モニタリング地点の被度は10から5%である。
A地区(南側海域)の藻場モニタリング
B地区(北側海域)の藻場モニタリング