志々伎地区磯焼け対策活動組織(長崎県平戸市)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、志々岐漁協(83名)

● 地域の現状・課題

・志々伎地区は平戸島南部に位置し、その区域は志々伎湾を有している。

・地区の沿岸には藻場が広がっていたが、ここ十数年は海藻類が減少して磯焼け状態となり、磯根資源も減少している。

・藻場の減少は、近年の気候変動など様々な要因によるものであるが、特に大きな要因は増加したウニ類(ガンガゼ)や魚類(ノトイスズミ、アイゴ)の食害であり、食害生物の除去が大きな課題となっている。

磯焼け状態の海底

● 活動の内容

・藻場や磯根資源の回復を目的として、平成25年度に組織を設立し、ウニ類の除去を中心に活動を展開している。

・ウニ類の除去はガンガゼを対象に手カギを用いて素潜りで行い、平成28年度には2,515kg、平成29年度には1,890kgを除去した。

・除去したウニ類は船上で一斗缶に入れて潰し、田畑の肥料として活用している。

ガンガゼの除去

除去したガンガゼ

● 活動の効果

・大人数での集中的なウニ類の除去を行ったことにより、ガンガゼの生息密度が低下した。

・海藻の被度は5.8%(平成28年度)から15.2%(平成29年度)に増加しており、活動の効果が現れつつある。

・今後もウニ類の除去活動を継続するとともに、食害生物の動向を踏まえ、母藻投入など新たな藻場保全活動の実施を検討していく。

増加した海藻