● 地域の現状・課題
・綱島地区は、対馬西側の中央部に位置する。小綱浦の湾口部に浮かぶ三つの島、榎島、中島、神島の総称を「綱島」と呼んでいる。この三つの島のうち榎島はもっとも大きく、繁茂する原始林は小綱国有林となっている。さらに朝鮮海峡に落ちる夕日に島々が照らされる風景は幻想的で非常に美しく、「長崎新観光百選」に指定されている。
・平成21年からヒジキ・海藻等が減少し、磯焼けが広がっている。
・平成21年から漁協と一丸となり環境生態系保全対策としてウニ類の駆除作業を始め、現在では水産多面的機能発揮対策事業の活動組織として食害生物の除去(魚類・ウニ類)藻場の保全活動を行っている。
・令和2年度から流域における植林活動を開始した。

活動を行っている構成員(平成21年)

刺網による食害生物の除去(魚類)

海藻のモニタリング

流域における植林(植林前)
● 活動の内容
・藻場を回復させるため、下記の保全活動を行っている。
- 保護区域の設定(仕切網・保護網設置)
- 食害生物の除去(魚類):刺網・追込み網で駆除
- 食害生物の除去(ウニ類):潜水により採捕し、陸上に上げて潰し、密度を下げている。
- モニタリング:構成員の漁業者に潜って頂き、漁場の調査及び経過観察を実施している。
- 岩盤清掃:構成員で海岸の清掃を実施している。
- 海藻の種苗投入:減少したヒジキ、カジメ、ワカメ等を復活させ、藻場の回復を目的に行っている。
- 流域における植林:鹿・イノシシ(有害鳥獣)の影響により、山木まで枯れて緑の減少、緑を増やしてクリーンな雨水を海へ流出させ山から海へ藻場の回復再生を目的に植林活動を実施している。

保護区域の設定(仕切網・保護網設置)

食害生物の除去(ウニ類)

流域における植林

海難救助訓練
● 活動の効果
➀仕切網・保護網内でヒジキが生育(種苗の成長)。
②刺網と追込み網を併用することで、植食性魚類の捕獲効率が向上。
③クヌギ苗木の成長により緑が増加している。
今後、ウニ駆除回数を増やしていきながら新たな駆除方法も検討する。
植林後に成長しているクヌギ苗木周辺の除草作業を定期的に行いながら、藻場全体の復活及び再生を今後も目指したい。

食害生物の除去(魚類)追込み網

岩盤清掃

流域における植林

活動を行っている構成員(令和3年)