瀬川地区海渚を再生する会(長崎県西海市)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、瀬川漁協、地域住民(104名)

● 地域の現状・課題

・瀬川地区は西彼杵半島北部に位置し、大村湾の湾口部に面している。

・以前はモズクなどが豊富で、沿岸全域に海藻が繁茂していた。

・しかし、近年海藻類は減少し、現在では春藻場が部分的に形成されるのみとなった。

・地区では伝統漁法の地曳網や一本釣りが主な漁業種類で、カタクチイワシやカサゴ等が水揚げされるが、好漁不漁の波が大きい。水産資源の安定化を図る上でも、藻場の再生が望まれる。

伝統漁法の地引き網

● 活動の内容

・かつての豊かな海、かつての藻場の再生を目的に、平成22年度に会を設立し、様々な藻場保全活動を実施している。

・母藻の設置は地区に生育するマメタワラを採取し、底層網、スポアバッグで設置している。

・母藻設置前には、水中ポンプを使用して、海底に堆積した浮泥を除去している(岩盤清掃)。

・その他、潜水によるウニ類(ムラサキウニ・ガンガゼ)の除去や、ウニハードルによる保護区域の設定などを行っている。

底層網による母藻設置

水中ポンプによる岩盤清掃

● 活動の効果

・被度75~80%(平成28・29年度)で春藻場が形成されるようになり、アオリイカやコウイカが産卵するようになった。

・また、マメタワラ等が繁茂するようになった。

・衰退時期である10月にも被度40~50%ほど(平成28・29年)で海藻類が確認されており、活動の効果がうかがえた。

・今後も藻場の保全活動を継続するとともに、専門家と相談しながら活動の効率化を図る。

繁茂するマメタワラ