● 地域の現状・課題
- 口之津地区は島原半島南端に位置しており、島原半島と天草諸島の海峡である早崎瀬戸に面している。
- 当地区では、一本釣りや刺網、採介藻漁業などが行われているが、近年その水揚げは低迷している。
- 沿岸にあったアカモク、ワカメ、ヒジキなどの藻場も減少しており、磯焼けが発生したことで、磯根資源にも影響が及んでいる。
- 藻場の減少は、近年の気候変動など様々な要因によるものであるが、特にウニ類などの食害が影響しており、食害生物の除去が課題となっている。
活動海域
● 活動の内容
- 藻場や磯根資源の回復を目的として、ウニ類の除去を中心に活動を展開している。
- ウニ類の除去は、素潜りで手鉤などを用いて行っており、除去したウニ類は粉砕処理している。
- その他にも、海藻類の着生基質を確保するための岩盤清掃(付着生物除去)や、海藻の種苗投入としてヒジキロープの設置、母藻設置としてヒジキが着生した石の設置を行っている。
- 藻場の保全活動以外にも、ゴミの回収や海域監視、海難救助訓練などを実施している。
ウニ類の除去と除去したウニ類の粉砕作業
岩盤清掃(実施後の岩)と母藻設置の様子
● 活動の効果
- 長崎県のサポートのもと、ウニ類の除去や岩盤清掃、海藻の種苗投入、母藻設置などの活動を精力的、継続的に実施している。
- ヒジキを中心とした海藻類が、被度20～40％程度の生育状況で維持されている。
- 今後も藻場の保全活動を継続し、海藻類が生育できる環境づくりを進めることで、藻場のさらなる再生・拡大に期待したい。
ヒジキを中心とした海藻類の状況