長与浦再生活動組織(長崎県長与町)

● 活動項目

干潟等の保全 他

● 組織の構成

漁業者、大村湾漁協、地域住民(33名)

● 地域の現状・課題

・長与浦地区は大村湾の南部に位置し、その地形から閉鎖的な海域となっている。

・大村湾では富栄養化などの理由から底質の悪化や貧酸素水塊の発生、青潮、アオサの大量発生などの問題が生じている。

・この問題は長与浦地区でも同様であり、主力漁業の小型底引き網が対象とするヒラメやナマコ、シャコなどの底生魚介類が激減している。

・当該地区では、長年の有機物の堆積により底質が悪化しており、これら環境の改善が地区漁業にとって喫緊の課題となっている。

大量発生したアオサ

● 活動の内容

・底質悪化の抑制・改善などを目的に、平成25年度に組織を設立し、様々な活動を展開している。

・底質改善を目的に、年間1,440~2,000㎡の客土を実施している。また、組織で開発した器具を用いて海底耕うんも行っている。

・生物生産力を高め、水質浄化機能を向上させる目的で、アサリの生息調査やナマコの天然採苗を行っている。平成29年度には稚ナマコ11,565個体を放流した。

・その他にもアカガイの移植や、アオサ、浮遊・堆積物の除去を行っている。また、除去したアオサの堆肥化の検討も進めている。

船外機船からの客土

ナマコの天然採苗(カキ殻使用)

● 活動の効果

・客土を実施したことにより底質の硫化物量、強熱減量、泥分率ともに大きく減少し、底質の改善が図れた。

・客土の敷設厚を5cmから20cmに変更したことで、4年以上の効果の持続が確認されている。

・底質改善を行ったことにより、一部でアマモ場の回復が見られている。

・アサリの生息調査では当地区での適正な生息環境が判明し、今後、稚貝の保護・育成技術を模索する。

・また、これまでの結果や専門家の意見を踏まえ、活動内容を絞り、効率化を図っていく。

底質の変化