佐世保市南部地域活動組織(長崎県佐世保市)

● 活動項目

干潟等の保全 他

● 組織の構成

漁業者、佐世保市南部漁協、地域住民(268名)

● 地域の現状・課題

  • 佐世保市南部地区は大村湾北部に位置しており、南側は大村湾、西側は佐世保湾に面している。
  • 主な漁業として、一本釣りや刺網、エビ漕ぎ網、二艘曳網、雑魚籠などが行われているが、近年は全体的に水揚げが減少している。
  • 漁場環境の改善や水産資源の回復が求められており、平成28年度より、海底耕うんや種苗放流などの活動を実施することにした。

海岸に堆積した流木など

● 活動の内容

  • 主な活動として、海底耕うん、浮遊・堆積物の除去、カサゴの種苗放流を実施している。
  • 海底耕うんは貝桁網により行っており、1日に7時間、年間に延べ25~40隻ほどが実施している。
  • 浮遊・堆積物の除去は、海底耕うん時に除去した海底ゴミのほか、海岸に流れ着いた流木や流れ藻などを除去しており、除去したものは産業廃棄物として処理している。
  • カサゴの種苗放流は平成29年度より実施しており、全長50mmの種苗を購入し、年間41,000尾程度を放流している。
  • その他にも、海難救助訓練として、消防署員を講師とした救命講習なども行っている。

貝桁網を使用した海底耕うん

海底耕うんに使用した貝桁網

流木や流れ藻の除去

カサゴの種苗放流

● 活動の効果

  • アサリの生物量が少しずつ増加しており、海底耕うんや浮遊・堆積物の除去によって、底質改善などの効果が徐々に表れ始めている可能性がある。
  • アマモの増加も確認されており、近隣の漁協が流れ藻の花枝を採取しに来るようになった。
  • カサゴについては、雑魚籠による捕獲モニタリングを開始したばかりではあるが(平均0.9個体/籠)、漁業者は放流によって資源量が増加したことを実感している。

アサリ密度の経年変化

モニタリングで採取したアサリ稚貝