鴨居瀬地区藻場保全組織(長崎県対馬市)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、美津島漁協鴨居瀬支所(25名)

● 地域の現状・課題

・鴨居瀬地区は対馬東岸の中央部に位置し、海岸線はリアス式海岸となっている。

・漁業者の多くが採貝・採藻(アワビ・サザエ・ウニ・ナマコ・ヒジキ)に従事している。

・豊富だった藻場が近年急激に減少しており、漁獲にも影響が及んできている。

・藻場の減少は、近年の気候変動など様々な要因によるものであるが、特に大きな要因は魚類(主にノトイスズミ)による食害であり、食害生物の除去が大きな課題となっている。

磯焼けした海底

● 活動の内容

・減少したアラメ・カジメ場を復活させ、優良な磯根漁場を再生することを目的に、平成28年度に組織を設立した。

・主な活動はノトイスズミの駆除であり、建網とモリ突き(素潜り)により、平成28年には134匹、平成29年度には1,367匹(約3トン)を駆除した。

・平成28年度には海藻の種苗投入も行っており、カジメ種糸を巻き付けたロープをカゴに入れ、海中に投入した。

建網の投入

建網設置のイメージ

モリ突きによる駆除

カジメの種苗投入

● 活動の効果

・建網とモリ突きを併用することにより、捕獲効率が向上した。

・魚類の食害によって無くなっていたヒジキは、生育が認められるようになった。

・今後、回数を増やして建網とモリ突きによる駆除を実施するとともに、カゴなどを用いた新たな駆除の方法を検討する。

・効果的な駆除を実施することにより、養殖ヒジキの回復にとどまらず、アラメ・カジメ主体の藻場全体の復活を今後も目指したい。

駆除したノトイスズミ