● 地域の現状・課題
- 当地区は島原半島北部に位置しており、有明海に面している。
- 主な漁業として刺網やたこつぼ、バイかご、ノリ養殖などが行われており、以前は潜水器使用のタイラギ漁が盛んであった。しかし、近年は全般的に水揚げが低迷している。
- 地区の干潟も衰退しており、昔のように豊かな海で潮干狩りができる浜の再生が求められている。
干潟の様子
● 活動の内容
- 干潟の保全活動として客土を実施しており、年度ごとに15~70㎥程度の海砂を投入している。
- 地域の将来を担う子供たちに、干潟の保全について普及啓発することにも注力しており、地元小学校の5年生を対象に環境学習会(あさり教室)を毎年開催している。
- 環境学習会では、当地区の海についての講義や、砂入りコンテナを用いた潮干狩り体験、アサリのネット詰め体験、干潟生物の観察などを行っている。
- これらの活動以外にも、海難救助訓練として救命講習や転落者救助訓練、救命胴衣装着訓練などを実施している。
客土に使用した海砂と海砂の投入作業の様子
海難救助訓練(救命講習と転落者救助訓練)
● 活動の効果
- モニタリングでは、コドラート法によりアサリの個体数・重量を測定しており、平成28~30年度にかけては増加傾向にあった。令和元年度には減少したが、梅雨時期の豪雨や夏季の高水温が影響したものと推測されている。
- 環境学習会の終了後には生徒から質問や感想を提出してもらい、それに対する回答書を配布することで学習効果の向上に努めている。
- 体験型の学習会にすることにより、生徒の興味と理解がより深まり、干潟保全についての意識が高まっているものと期待される。
環境学習会の様子