● 地域の現状・課題
・勝本地区は壱岐島の北側に位置しており、対馬海峡に面している。
・近年、主要魚種であるイカやマグロ類の漁獲量が年々減少し、磯根資源も低迷している。
・また、流れ藻や漂流物の増加により船の航行に支障が生じており、課題となっていた。
・このような背景から、環境の異変や不審船の監視を行うとともに、海の安全・安心の確保に向けた海難救助訓練も併せて開始した。
水域監視で確認した磯焼けの状況
● 活動の内容
・海域異変の早期発見、安全・安心確保のために「勝本地区活動組織」を平成29年度に設立。
・主な活動は国境・水域の監視であり、1回につき2名(2隻)で環境異変(漂着物の集積、崖崩れ、磯焼けなど)、不審船など約6時間の監視を行っている。
・監視で確認した異変は磯焼け対策や清掃活動など他の事業に情報を提供し、連携をとることにより相乗効果を上げるようにしている。
・また、任意団体が実施していた海難救助訓練を当組織で引き継ぎ、海難事故発生時の救助体制の確立を図っている。
監視活動
漂着物などの異変
● 活動の効果
・平成29年度は合計30回の監視活動を実施し、漂着物や崖崩れ、磯焼けなどの環境異変を254件報告した(不審船0件)。
・海難救助訓練として、消防署指導のもと救急救命講習や漁船浸水時の排水訓練など新たな安全対策に取り組むことができた。
・構成員の環境への意識が向上し、ゴミや異臭などにも関心を持つようになった。
・水域監視の情報により、的確な清掃活動が実施でき、観光客がクリーンなイメージを持つようになった。
・漁等で監視できない時期があったことから、定期的に活動が行える体制づくりを進めていく。
排水訓練の様子