中津干潟を元気にする会(大分県中津市)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、大分県漁協中津支店、漁協女性部(計121名)

● 地域の現状・課題

・中津市は大分県の北西部、福岡県境に位置し、日本三大干潟のひとつである広大な中津干潟が広がり、干潟を利用した採貝藻・ノリ養殖漁業、続く砂質漁場では建網漁業・カニカゴ・タコ壺漁業、さらに続く沖合では底びき網漁業などが盛んに営まれてきた。 

・地球温暖化や近年の異常気象による豪雨水害の発生により大量のゴミ・土砂が干潟に流入するようになったため、干潟環境が悪化している。また、ナルトビエイによる二枚貝の食害も増加した。このことがアサリなど壊滅状態が続く主な要因となっている。

・課題としては、漁業者の高齢化が加速し後継者も不足していく中、短期間でアサリ等の二枚貝を増殖できる新たな活動がないか模索している段階である。

● 活動の内容

・中津市では、壊滅状態である二枚貝の増殖と干潟漁業の再生のため、浮遊堆積物の除去、ナルトビエイの駆除及びホトトギス貝の駆除等の活動に大分県北部水産グループと県の普及指導員、市の林業水産課のサポートを得ながら取り組んでいる。

 

・モニタリング・・・毎年、アサリの産卵後に県と合同でアサリの資源調査を実施している。

・浮遊堆積物の除去・・・水害等により干潟に流れ出たゴミを人力にて撤去する。

・機能低下を招く生物の除去(魚類)・・・流し刺し網によるナルトビエイの駆除を行い食害を防ぐ。

・機能低下を招く生物の除去(その他)・・・吸引ポンプ及び人力によりホトトギスマットの駆除を実施している。

・植樹活動・・・山=川=海と一体になっている自然を守り、漁村と農村の交流を図る目的で、豊前海へとつながる山国川流域にて、年1回活動を行っている。

モニタリング

浮遊堆積物の除去

ナルトビエイの駆除

植樹活動

● 活動の効果

・過去4年間のデータを見ると、アサリの資源量は減少しているが、大きさ(殻長)の結果を見ると、大きいアサリの割合が増えていることがわかる。

・まだまだ、持続してアサリの個体数が確認されているわけではないが、短期的に見ると、個体数が多い年もある。