国見地区藻場保全組織(大分県国東市)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、大分県漁協国見支店(25名)

● 地域の現状・課題

・国見地区は国東半島北部に位置している。

・ワカメ、ヒジキ、タコ等が特産物であり、潮の干満を利用する伝統的漁法の建干し網漁が知られている。

・しかし、近年の藻場減少に伴い、ワカメ、ヒジキを始め、アワビ、サザエ、ウニ等の磯根資源が減少した。

・藻場の回復には、食害生物(ウニ)の除去や岩盤清掃などの対策が必要であり、これら活動を継続的に行う組織が求められた。

海藻が減少した海底と食害生物(ムラサキウニ)

● 活動の内容

・藻場の回復のため平成25年度に組織を設立し、以下の活動を行っている。

・食害生物除去:ムラサキウニを対象とし、スクーバ潜水および素潜りで除去・回収している。

・岩盤清掃:大潮干潮時に、陸上よりケレン棒などを使用して付着生物を剥離している。

・平成29年度から、多年生大型海藻のクロメを対象とし、母藻の設置や保護区(ウニフェンス)の設定をしている。

ムラサキウニの除去

岩盤清掃

クロメ母藻の設置

ウニフェンスの設置

● 活動の効果

・減少していたワカメやヒジキが増加しており、活動の成果が現れてきている。

・平成29年度のモニタリング結果でも、被度50~80%(13定点)と高く、ワカメやヒジキ、ウミトラノオなどの大型海藻が優占種となった。

・ただし、ワカメやヒジキは夏~秋には減少することから、今後、近年減少しているクロメ(多年生)の増加を図る必要がある。

増加したワカメとヒジキ