● 地域の現状・課題
・平岩地区は宮崎県の北東部に位置し、日向灘に面している。
・昭和51年ごろ、地区の沿岸ではクロメを主体とした25haの藻場が広がっていたが、次第に減少し、平成10年頃にはほぼ消滅した。
・藻場の回復を遅らせる主な原因として、ウニ類の過剰な摂食が課題となっており、その対策が求められている。
・台風や大雨で近くの河川から流木が沿岸に漂着し、藻場を削りとるため、撤去が必要となる。

活動当初の海底のウニ類の状況

台風通過後の沿岸に漂着した流木
● 活動の内容
・ウニ類の除去:主にムラサキウニを対象として、素潜りよりハンマーで潰している。
・魚類の除去:ノトイスズミやブダイなどの植食性魚類を刺網により除去している。
・その他にも、素潜りによるアメフラシ類の除去を行っている。
・沿岸に漂着した流木等の撤去を行っている。
・県内の水産系の高等学校と藻場造成体験としてウニ駆除活動を年に1回、共同で行っている。

ウニ類の除去

魚類の除去

浮遊・堆積物の除去

県内の水産系高等学校学生の藻場造成体験
● 活動の効果
・令和5年度のモニタリングの結果、推定藻場面積が8.2haとなり、活動当初の0.4haと比較して、20倍以上藻場が拡大した。
・令和6年度の大型台風通過後の沿岸漂着した流木を林業関係者に協力を仰ぎ、撤去を行った。
・高等学校との体験学習がメディアで取り上げられ、情報発信した結果、地域住民2名の活動組織加入につながった。

平成23年1月 藻場推定面積:0.4ha

令和6年3月 藻場推定面積:8.2ha