● 地域の現状・課題
- 広瀬川(米ノ津川)は、鹿児島県北部の八代海に注ぐ延長約20㎞の2級河川である。
- アユ・ヤマメなどが棲む清流として親しまれ、特に六月初旬のアユ解禁日には多くの市民が建網漁に参加し、地域における初夏の風物詩となっている。
一方で、現在、川と親しむ機会が特に若年層の間で著しく減少。また、河川環境について学ぶ際にも、机上での学習に留まることが多くなってきた。
- また、川には、市民が気軽に河川景観を楽しむことができるジョギングロードが整備されているが、広い河川敷に繁茂する草の管理が親水性を阻害し課題となった。

● 活動の内容
組織では、「山と海のつながり」をテーマに、漁業者と猟友会とが協力し、河川環境・景観の保全と、それに係る流域住民の意識の向上を図る普及活動を展開している。
- 河川環境・景観の保全では、草刈及び清掃活動を行う。また、アユを中心とする水生生物のモニタリングを実施している。
- 普及活動では、地元の子どもやその保護者に対して、川の環境や生きものの座学をしたり、川遊び体験をしたり、川魚の調理・試食体験をしたりしている。

● 活動の効果
草刈・清掃活動、またその活動のPRや環境・景観保全を訴える看板を河川空間の利用が多い場所に設置したことで、ジョギングロード周辺のゴミの散乱が減少している。
- 普及活動で子どもやその保護者が川の魅力を実体験したことで、そこに棲む生物や環境の保全について改めて認識したり、理解を深めた(アンケート結果より)。また、こうした活動が新聞や広報誌で紹介されたことで、自分たちの取り組みを広く一般に周知できた。
- 今後も活動を継続し、山と海をつなげる川の保全を図る。また、川に対する地域住民の理解を深め、これまで引き継がれてきた川の文化を継承していきたい。
