● 地域の現状・課題
- 高尾野川は、紫尾山系を源とし、出水平野を抜け、八代海へ注ぐ河川延長20kmの二級河川である。
- 昭和時代は、内水面漁業が営まれていたが、現在は漁獲量の減少などから、漁業で生計をたてるものはいなくなった。
- 川では、昭和40年に上流域にダムが完成し、それ以降、大規模な河川改修が行われた。こうした影響で、石礫が下流に運ばれなくなったり、水深が浅く川幅の広い川になったりと河川環境が大きく変化した。
- また、河川環境の変化にともなって、流域住民の川離れが進行し、親水性も大きく低下し課題となった。
● 活動の内容
- 「川の恵みがいただける川づくり」「みんなが親しめる川づくり」を目標に、平成25年度に漁業者や地域住民主体で当該組織を結成した。
- 親水性の確保を主な目的に、草木の刈り取りやゴミ拾いなど河川清掃を実施している。
- また、川遊び・アユ獲りや調理を行う体験学習会を開催し、川の魅力と河川環境保全の大切さを普及・啓発している。活動の対象は小学生にとどまらず、高校生を対象とした出前授業も実施している。
- 河川環境の保全は、上記の河川清掃はもちろん、河川環境の改善につながる石倉を設置し、現在、その維持・管理を行っている。
河川清掃と石倉の維持・管理
川遊び体験と高校生対象のコイの調理体験
● 活動の効果
- 親水性確保を目的とした清掃活動ではゴミの量が減少しており、体験学習会に参加した保護者のアンケートで、活動当初(H25)「身近な自然」「きれい」とする回答が2割未満で少なかったのに対し、翌年度は前者8割弱、後者3割強に増加し、その効果がうかがえた。
- 石倉については、毎年50尾前後のウナギやエビ・カニ類、ハゼ類などの小魚が多く確認され、石倉が河川に生息する生物の生息環境の改善につながっていると考えられるため、今後も活動を継続していく。
アンケート結果
石倉から出てきたウナギ