あいら藻場・干潟再生協議会(鹿児島県姶良市)

● 活動項目

干潟等の保全 他

● 組織の構成

漁業者、錦海漁協、NPOくすの木自然館(174名)

● 地域の現状・課題

  • 姶良地区は、鹿児島県中央部に位置しており、南東側を鹿児島湾(錦江湾)に面している。
  • かつて、当地区の海岸は潮干狩りで賑わい、漁業者にとっても貴重な収入源となっていた。
  • しかし、1993年に発生した豪雨災害による河川の氾濫の影響を受け、アマモ場やアサリなど二枚貝が激減した。
  • 翌年から潮干狩りは中止となり、十分な回復が成されないまま、現在に至っている。
  • そのため、昔のように生き物と触れあえる豊かな浜を取り戻すことを課題として、藻場(アマモ場)や干潟等の保全活動を実施している。

かつては潮干狩りで賑わった姶良地区の海岸

● 活動の内容

  • 主な活動として、干潟や藻場(アマモ)の保全のほか、ヨシ帯の保全や漂流・漂着ゴミの除去を行っている。
  • 干潟の保全は、稚貝・礫・貝殻入り網袋の掘り起こしにより稚貝を確保し、そこで得た稚貝を食害防止柵内(保護区域)に放流している。
  • 併せて、トラクターによる耕うんや、刺網によるエイ類の駆除、堆積したアオサの除去なども行っている。
  • 藻場の保全は、潜水によるポット苗の移植や、採取した種子を紙粘土に付けて播種している。
  • その他の活動として、ナガミノオニシバやヨシの移植、流木や人工ゴミといった漂流・漂着ゴミの回収を実施している。

稚貝入りの袋網(被覆網で食害を防止している)

保護区への稚貝の放流

紙粘土へのアマモ種子取り付け

● 活動の効果

  • 干潟の保全活動を行ったことにより、アサリの資源量が飛躍的に増加し、平成30年度には平成28年度の約20倍の量となった。
  • また、干潟の状況が改善されたことに伴い、天然採苗からのアサリ垂下養殖の成功や、地元小学校への干潟保全の取り組みについての出前授業(環境学習)の実施など、新たな活動への展望が開けた。
  • 藻場やヨシ帯の保全についてはまだ十分な成果が得られていないので、方法を検討しながら、根気よく活動を続ける必要がある。

アサリの推定資源量

出前授業での発表内容(抜粋)