● 地域の現状・課題
- 当会の拠点は、鹿児島湾(錦江湾)奥に位置する姶良市である。
- 過去、別府川には非常に多くのアユが生息しており、アユ漁の解禁の日には川は多くの人で賑わい、その人々の足にアユがまとわりつき、ぶつかってくるくらいであったと言われている。しかし近年、自然環境の変化等の影響でアユの生息数が少なくなっており、遊漁者からも漁協や市に連絡が来るほどである。
- 漁協としても義務放流を行っているが、アユについては自然遡上・産卵を増加させる必要があり、そのために河川環境の改善に取り組むことが課題となっている。
● 活動の内容
当会は、姶良市を流れる別府川の漁業権を管理する別府川漁協の組合員が中心となって平成26年に設立した。当会の目標は、別府川における生態系の維持・保全・改善を図ることである。当会の活動区域は、流域の中でアユの生息に密接に関係のある4箇所で活動している。
活動内容としては、アユを始めとする水棲生物の暮らす河川の清掃を中心に行っており、そのモニタリングは、アユが河川を下り産卵を行う10~11月頃に実施している。
建網によるモニタリング風景(米丸井堰下流)
モニタリング定点の1つ(中川原橋下流付近)
● 活動の効果
モニタリングの手法としては活動当初から産卵場所の確認を行っていたが、水産庁からの指導により具体的かつ定量的な成果が求められたことから、令和6年度からは建網投入による釣果調査を行うこととなった。
初めての試みるモニタリングの手法であったため県・市の担当者同席のもと11月中旬にモニタリングを実施したが、実施時期が遅く、アユの釣果は得られなかった。この年は春先の稚アユの遡上も極端に少ない年であったこともあり、モニタリング当日は産卵した跡を見つけることもできなかった。
令和7年度はモニタリング時期を再検討し10月下旬にモニタリングを実施したところ、各定点で合計14匹の釣果があった。今後は、このモニタリング結果を踏まえてより効果のある活動を進められるよう検討を進めていきたい。
実際にモニタリングで採捕したアユ