● 地域の現状・課題
・大宜味地区は沖縄県本島北部の西海岸に位置し、東シナ海に面している。
《藻場保全》
・平成26年頃からムラサキウニが増え始め、同時に藻場の減少が目立ってきた。
・ウニ類への対策が求められたため、同年から活動を開始し、平成28年度に現在の活動組織を設立し、藻場その他の保全活動を開始した。
《サンゴ礁の保全》
・沿岸にはサンゴ礁が発達しており、これまでにもオニヒトデ駆除の対策に取り組んできた。
・現在は、オニヒトデなどの食害から回復傾向にある。
《種苗放流》
・ハマフエフキ(タマン)の漁獲量が年々減少傾向にあったため、稚魚を放流し漁獲量の増加を図っている。
・モニタリングでの結果(釣果)はほとんどない。何らかの検討が必要と考えている。
活動を行っている構成員
● 活動の内容
《藻場保全》
・高密度に生息するムラサキウニを素潜り及び船上より除去する活動を主に行っている。
《サンゴ礁の保全》
・主にオニヒトデの除去を素潜りにて行っている。
《種苗放流》
・ハマフエフキの稚魚(65mm~100mm程度)5,000~6,000尾程度の放流を行っている。
・地域の小学生・保育園児などを対象に、放流体験の参加者を募集して実践している。
ムラサキウニの除去
オニヒトデの除去
種苗放流の準備
園児が参加した種苗放流
● 活動の効果
《藻場保全》
・ムラサキウニについては、活動日数にもよるが毎年3,000個~4,000個程度を除去できている。
・定点モニタリング(5点)を1月下旬~2月初旬にかけて行っているが、海藻類の被度は低調な状態にある。しかし、漁民からの報告によると、3月~6月にかけては海藻類の増加が見られることから、活動の成果が表れ始めていると思われる。
《サンゴ礁の保全》
・除去されるオニヒトデの数は年々減少傾向にあり、平成31年度は6個体でサイズも20cm~25cmと小ぶりになった。
・平成31年度のモニタリングの結果、サンゴの被度が80%となっており、回復傾向にある。
《種苗放流》
・当該地区でのハマフエフキの延縄漁及び一本釣りでの釣果は増加傾向にある。また、当該漁協内での漁獲量も増加傾向にある。
・以上の活動結果から、今後も資源が回復していくことを期待し、活動を継続する。
除去されたオニヒトデ
釣りによる種苗放流のモニタリング