戸井の海を豊かにする会(北海道函館市)

● 活動項目

藻場の保全(母藻の設置、海藻の種苗設置、岩盤清掃、モニタリング)

● 組織の構成

漁業者、戸井漁協(88名)

● 地域の現状・課題

・戸井地区は北海道の南部、津軽海峡に面した渡島半島東部に位置している。

・地区内の漁業は、マグロ・カレイ等のはえ縄漁業やブリ等の一本釣漁業、コンブ養殖漁業が行なわれているが、主幹は地区内漁業者の7割以上が着業する天然コンブ漁業である。

・近年漁場環境の変化により、コンブ漁場内の雑海藻の割合が増えたことによる水揚げの減少が見られることから、平成26年度から戸井の海を豊かにする会を発足し、漁場環境の改善に取り組んだ。

 

雑海藻が漁場内の優占種

● 活動の内容

漁場環境が変化し雑海藻の繁茂が進んだ漁場を改善するための取組み。

・岩盤清掃:チェーン式の器具により岩盤に着生した雑海藻や付着物を除去して、コンブ類の胞子の付着を容易にする。

・母藻の設置:コンブ類の母藻を直接海中に設置することで、人為的に胞子の岩盤への着生を促す。

・海藻の種苗投入(H29~):重石ブロックのロープに付けたコンブの人工種苗を投入し、人為的な母藻群を形成されることを期待し、胞子の放出による藻場の回復を図る。

 

岩盤清掃用の器具

母藻の設置状況

● 活動の効果

・活動の効果が見えだしたH28年1月に爆弾低気圧による大時化の影響で、大規模なコンブ類の流失が発生、以後地区内で海流の影響等により漁場の白化が進行し、水揚げが激減した。

・H29年度からは海藻の種苗投入を取組みに加え、母藻の減少を補う効果を期待したが、その効果はまだ未知数である。

投入時の人工種苗

種苗投入の8カ月後