三浦湾地区藻場保全組織(長崎県対馬市)

● 活動項目

藻場の保全、海の監視ネットワーク強化

● 組織の構成

漁業者、美津島町漁業協同組合(16名)(サポーター:対馬市、長崎県、サポート専門家)

● 地域の現状・課題

・三浦湾地区は対馬市東南部に位置し、協定面積は三浦湾内外の19㏊である。

・平成30年頃よりイスズミ等の害魚による食害により藻場の減少が目立ってきた。

・令和4年から食害はさらに深刻化し、ノコギリモクが激減してきた。カジメやノコギリモクなどの母藻自体の保護が課題となっている。

沖防波堤付近に蝟集するイスズミの群

沖防波堤付近に蝟集するアイゴの群

● 活動の内容

  • 本地区は令和元年度に活動組織を設立し、水産多面的機能発揮対策を開始し、種苗・母藻の設置、魚の除去およびモニタリングを行っている。
  • 海底に大型の食害防止籠を設置し、アラメ・カジメ等の種苗の育成を行っている。
  • イスズミが目撃されている海域にたて網を設置し、除去を行っている。
  • 構成員と専門家が一緒に定期モニタリングを行っている。

大型の食害防止籠

籠内のアラメ・カジメ種苗

● 活動の効果

  • 令和元年6月まで藻場の被度(大型海藻と小型海藻の被度の合計)は増加して約60%に達した。その後、ノコギリモクの食害が進行し、成体が消失したところもみられる。
  • ウニの密度は増加傾向にあるが、ウニの過度の食害によるパッチ状磯焼けは少ない。

藻場の被度の経時変化

ウニの密度の経時変化

ノコギリモクの藻場

魚に食害されたノコギリモク