たら環境保全対策地域協議会(佐賀県太良町)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、佐賀有明海漁協たら支所、地域住民(80名)

● 地域の現状・課題

  • 太良町は佐賀県南端に位置し、有明海に面している。
  • 当地区は、海苔養殖を主とし、春先から夏場にかけては、アサリ、サルボウ貝等が漁獲されている。アサリについては、砂含量が少なく実入りが良い「糸岐アサリ」としてブランドとなっているが、近年は減少傾向である。
  • 近年、自然災害の頻発化により、海のゴミが多く見られ、このことが海の環境悪化につながり、二枚貝等に影響を与えていると考えられるため、海岸海面両方からの清掃、また二枚貝を含め生物の生息環境改善を目的としたカキ礁の造成、耕耘を行うことにした。       

活動参加者(A地区)

活動参加者(B地区)

● 活動の内容

  • 干潟の保全として、カキ礁の造成、サルボウ資源回復(竹ほうき、竹支柱、メダケの建て込み)を行い、貝類を増殖することにより二枚貝特有の浄化作用による環境回復のための活動を行っている。
  • 干潟の保全の死殻除去(じょれんを使用)、耕耘(耕耘ローターを使用)を実施し底質環境の改善のための活動を行っている。
  • 令和2年度まで漂流漂着物、堆積物の処理の海岸海面清掃を実施していた。生物生息の妨げになるゴミを回収し、生息環境の改善を目的とし活動を行っていたが、現在は干潟等の保全活動を主に実施している。

(干潟等の保全:稚貝等の沈着促進)(かき礁の造成:竹ほうき、竹支柱建て込み作業)

(干潟等の保全:耕うん)(耕耘ローターによる耕耘作業)

● 活動の効果

  • カキ礁の造成、サルボウ資源回復を行った効果として、モニタリング地点の調査では対象二枚貝のアサリについては、一定の数量は生息しているが、全体的には減少傾向となっている。
  • 死殻除去、耕耘の効果として、以前より死殻の量が減少し、サルボウ稚貝も見られるようになったが、成貝までの成長には至らず、底質改善にはまだ至っていないものと考えられる。
  • 漂流漂着物、堆積物のゴミ回収の効果については、海岸海面両面から行うことで生物生息環境の改善が若干ではあるが見られたと思われる。

モニタリング結果:対象二枚貝アサリ(1ヶ所分)

モニタリング結果:対象二枚貝サルボウ(1ヶ所分)