藻場は、海藻や海草がつくる草原状、森林状の群落で、様々な魚介類の産卵場や生育場となっており、二酸化炭素や陸域からの負荷(窒素やリン)を吸収する大切な役割も担っています。これまで、多くの藻場は、そこを生業(なりわい)の場とする漁師の皆さんによって手入れがされてきましたが、近年、環境の変化などによって藻場の面積が大きく減少しています。
水産多面的機能発揮対策事業では、このような藻場の再生や保全に取り組む漁師や市民の皆さんのグループを支援しています。
藻場の保全活動の紹介
母藻の設置
母藻(成熟し種を付けた海藻)を設置し、藻場の再生を促す取組
写真:鹿児島県指宿市
種苗の設置
海藻の種苗を生産、海中に設置し、藻場の機能の維持・回復を図る取組
写真:山口県長門市
アマモの移植・播種
アマモの栄養株の移植や播種により、アマモ場の維持・回復を図る取組
写真:岡山県日生町
食害生物(ウニ)の除去
藻場形成の阻害要因となるウニ類を除去する取組
写真:岩手県洋野町
食害生物(魚類)の除去
藻場形成の阻害要因となるアイゴやイスズミなどの植食性魚類を除去する取組
写真:静岡県榛南地域
保護区域の設定
食害生物の侵入防御や海藻の採取制限等により藻場を保全する取組
写真:宮崎県串間市
岩盤清掃
岩盤を清掃し、海藻の着生や発芽を促進させる取組
写真:青森県大間町
栄養塩の供給
施肥によって栄養塩類を供給し、海藻の生産力を向上させる取組
写真:北海道積丹町
流域における植樹
植樹により、藻場に流入する河川の水質、水量を安定させる取組
写真:愛媛県西条市
「教育・学習」活動
地元の海藻を使った伝統食(写真はイギリス)を通じた環境学習
写真:長崎県南島原市
「教育・学習」活動
地元小学生との藻場(写真はアマモ場)の生物観察会
写真:鹿児島県指宿市